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托鉢修道会(読み)たくはつしゅうどうかい(英語表記)Ordines mendicantium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

托鉢修道会
たくはつしゅうどうかい
Ordines mendicantium

13世紀以後ヨーロッパに広まった清貧厳律修道会フランシスコ会ドミニコ会に始り,ヨーロッパの都市に広まり,その会員は教授として大学の神学講座を占めた。 13世紀末にはさらにカルメル会,アウグスチヌス隠修士会,聖母下僕会 (正式に托鉢修道会と認められたのは 15世紀) が加わり,第2リヨン公会議 (1274) がこれら以外の群小の会を禁止せねばならないほどの流行をみた。托鉢はアッシジフランシスコの清貧の理念に由来する。彼は労働を基本としたが,会の増大とともに初めは例外的手段であった托鉢によらねば修道生活を支えられなくなった。修士たちはこれによって市民のなかに入り込んで市民と一体となった活動を展開したが,在地司教の支配からの自由などの特権から反発を招き,13世紀中頃パリ大学では托鉢修道会の進出に対し,サンタムールのギヨームらの激しい反対運動が起り,トマス・アクィナスら会員との間で論戦がかわされた。托鉢修道会は教会法によって托鉢を認められているものであるが,現在は事実上行われていない。

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世界大百科事典 第2版の解説

たくはつしゅうどうかい【托鉢修道会 mendicant orders】

13世紀初めの西ヨーロッパで革新的なキリスト教信仰生活をめざした新形式の修道会の総称フランシスコ会ドミニコ会カルメル会アウグスティヌス会などがこれに属する。これらの修道会は,中世初期以来のベネディクト会系の修道院が民衆から隔絶した場所に定住し,しかも有力信者からの寄進を受けて富裕化,世俗化したのに対して,その生活方式を根本的に異にし,個人・共同体ともに財産を所有せず信徒からの喜捨にたよる〈清貧〉の精神を重視した。

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大辞林 第三版の解説

たくはつしゅうどうかい【托鉢修道会】

一三世紀初頭、西ヨーロッパで創設された修道会の総称。定住・観想を旨とした従来の修道会とは異なり、信徒の喜捨によって生活し、清貧・宣教を重んじた。フランチェスコ会・ドミニコ会など。

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世界大百科事典内の托鉢修道会の言及

【修道院】より

…シトー会修道院は,建築様式においてもその厳しい禁欲的修道精神をそのまま形象化して建築史に一時代を画したが,フランシスコ会の清貧ぶりはさらに徹底していた。フランシスコ会とドミニコ会とは托鉢修道会とも呼ばれるが,それは,もっぱら信者の喜捨によって使徒的生活を旨としていたことによる。フランシスコ会の創設者アッシジのフランチェスコが,その〈遺言書〉のなかで〈修道士の家はすべて木と泥で建てられねばならない〉といったように,当初彼らの修道院はこの通りの小屋であった。…

【修道会】より

…これと性格のよく似た司祭集団の修道会にドミニコ会があるが,ここではやがて学問が重視されて学者が輩出する。ドミニコ会と並ぶ説教修道会がフランシスコ会であるが,彼らは個人としても共同体としても財産を持たず,もっぱら信者の喜捨によって生活したので,托鉢修道会とか乞食修道会とか呼ばれた。1215年の第4ラテラノ公会議は新会則による修道会の設立を禁じたが,〈フランシスコ会則〉は1223年教皇の承認を得た。…

【ドミニクス】より

…1215年初めトゥールーズに福音の説教者教育養成所を設立し,新修道会を計画したが,これはついに16年12月22日教皇ホノリウス3世Honorius III(在位1216‐27)から認可を得た。この修道会はベネディクト会的な修道院と異なって,使徒活動による教会奉仕や修道院定住の誓約なしに行う民衆との交流を,総会と総会長の下にある中央統治組織の管轄の中で推進する托鉢修道会として急速に全西欧に発展し,福音宣教の一翼をになった。ドミニクスはボローニャに没し,この地のアルカ・ディ・サン・ドメニコ修道院に葬られている。…

※「托鉢修道会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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