改訂新版 世界大百科事典 「グレーシャー」の意味・わかりやすい解説
グレーシャー
James Glaisher
生没年:1809-1903
イギリスの気象学者,天文学者。ほとんど独学で学んだといわれ,1833年天文学者G.B.エアリーの目にとまり,ケンブリッジ天文台に入り研究をはじめた。35年にはグリニジ天文台に移り,地磁気,気象の部の長となった。49年《デーリー・ニューズ》紙上にイギリス各地の気象観測の結果を掲載するようにするなど,気象事業の確立に貢献した。62年にはH.T.コックスウェルとともに自由気球に乗り,高度11kmまでのぼり,高層気象観測を行い,66年までにはさらに数十回の高層観測を行った。74年の第1回万国博覧会のおりには,天気図をつくり配った。また,1847年には《乾湿計の使用のための湿度表》を出版したが,この表はその後長い間使われた。イギリス気象学会の創立にも貢献した。
執筆者:高橋 浩一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報