ケイ岩(読み)けいがん(その他表記)quartzite

翻訳|quartzite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケイ岩」の意味・わかりやすい解説

ケイ岩
けいがん
quartzite

ケイ質岩の総称として用いられることもあるが,狭義には次のケイ質岩をさす。(1) 砂質,特にアルコース質の堆積岩源のホルンフェルス石英長石よりなり,グラノブラスチック組織。ガラス光沢を呈する。先カンブリア時代変成岩に多い。(2) 粒間が完全に石英でうずめられた,堅くて緻密なケイ質岩。これは砂岩ケイ化作用を受けたもの。(3) 微晶質石英質砂岩。ケイ岩がチャートと同義語として用いられたこともあったが,今日ではあまり使用されない。なお,俗称火打石は,広義のケイ岩にあたる。

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百科事典マイペディア 「ケイ岩」の意味・わかりやすい解説

ケイ(珪)岩【けいがん】

ほとんど石英の粒からなる非常にかたい淡色の岩石。石英質砂岩が変成作用を受けて生じた変成岩の場合と,変成作用は受けないが石英粒子がケイ酸分でかたく結合された砂岩,つまり堆積岩の場合の2種ある。チャートと同じ意味で使われたこともある。

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世界大百科事典(旧版)内のケイ岩の言及

【チャート】より

…チャートにはフリント角岩など種々の同義語があり,また特定の国や地質時代のチャートだけに用いる特殊な名称も多い。日本ではかつてチャートをケイ(珪)岩と呼んだことがあったが,ケイ岩とは石英砂岩(オーソコーツァイト)をさすので,現在では使用しない。チャートは地向斜堆積層の中に広く分布し,海底火山噴出物に伴って産出するものと,泥岩中に数cmから数十cmの厚さで成層して産するものとがある。…

※「ケイ岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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