普及版 字通 の解説
10画
[字訓] ひかる・すき
[説文解字]
[字形] 象形
玉の光が上下に放射するさまを示す。〔説文〕七下に「際見の白なり」とし、「白に從ふ。上下に小(わづ)かに見ゆ」と白を要素とする字と解するが、日は玉の形。その上下は玉光の放射する形で、皇の上部と同じ意象の字である。「際見の白」とは、壁の隙間の光の意。隙字条十四下に「壁際の孔なり」とする。(ふ)は神の陟降する神梯、その降下するところに玉をおいて清める意で、陽はその玉光が下に放射する形。はその陽光の放射のさまを示す。幽暗のところに玉をおくので、隙光の意となる。
[訓義]
1. 玉光、上下に光の放射するさま。
2. 光がもれる、すきま、壁のすきま。
3. 隙と同じ。隙の初文。
[声系]
〔説文〕に声として(けき)・隙など三字を収める。は、金文の字形によると、おそらく虎皮を剝ぐ形。隙は、神梯の前に玉をおき、その光の洩れる意。その光の下放するものは陽、魂振りの儀礼を示す字である。
[語系]
・隙khyak、(間)keanは声義の関連のある字で、合わせて間隙という。場所・時間のほか、状態についても用いる。神の降下する所であるから神人の際であり、またその区別のあることをいう。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報