日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケプラー10c」の意味・わかりやすい解説
ケプラー10c
けぷらーいちぜろしー
Kepler-10c
地球の約17倍の質量をもつ岩石型系外惑星。カナリア諸島にあるガリレオ国立望遠鏡を使い、ドップラーシフト法で質量を測定した結果、非常に重いことがわかった。従来の惑星形成論では、地球質量の10倍を超える惑星の元は、その重力により周りのガスや氷を引きつけ、巨大ガス惑星や巨大氷惑星へと進化すると考えられていた。しかし、ケプラー10cの発見はそれを覆し、惑星形成論の見直しが必要になった。
ケプラー10cが周回する母星であるケプラー10は、りゅう座にあるG型主系列星(太陽系における太陽と同じ)で、地球からの距離は約560光年である。ケプラー10cは、ケプラー10を周回する二つの惑星のうち、外側のもので、公転周期は約45日、軌道長半径は0.24AU(天文単位)、大きさは地球半径の2.2倍程度と考えられている。また、母星であるケプラー10はビッグ・バン後、約30億年で形成された古い恒星とみられ、宇宙のごく初期に、このように岩石質が豊富な惑星がどうして形成されたのかという問題も提起された。しかし、2017年に、詳細な観測により、ケプラー10cは巨大な地球型惑星ではなく、揮発性物質を多く含み地球の7倍程度の質量をもつことがわかった。
[編集部 2023年8月18日]