コウラナメクジ(読み)こうらなめくじ(英語表記)yellow slug

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コウラナメクジ」の意味・わかりやすい解説

コウラナメクジ
こうらなめくじ / 甲羅蛞蝓
yellow slug
[学] Limax feavus

軟体動物門腹足綱コウラナメクジ科の動物。別名キイロナメクジ。陸産種でヨーロッパ原産。日本には1920年(大正9)ごろ神戸に入っていて、近年では各地に広がっている。体長70ミリメートル、体幅10ミリメートルぐらい、暗い灰黄色の雲状斑(はん)があり、体前端近くの背上に、長楕円(ちょうだえん)形の外套膜(がいとうまく)に包まれた笠(かさ)形の殻をもつ。

[奥谷喬司]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コウラナメクジ」の意味・わかりやすい解説

コウラナメクジ
Limax flavus; yellow slug

軟体動物門腹足綱コウラナメクジ科。キイロナメクジともいうが,体色は灰黄色地に暗色の雲状斑があり,黄色ではない。体長 7cm,体幅 1cmほどになり,頭に大小2対の触角がある点ではナメクジと同じであるが,本種では頭の後背に楕円形の外套膜に包まれた薄くて小さい殻がある。ヨーロッパ原産であるが,1825年にアメリカのフィラデルフィアで,1920年には神戸で発見されるなど,いまでは世界各都市に広く分布している。日本でも都市周辺の庭園草地に普通にみられたが,最近では近縁種チャコウラナメクジ L.marginataに入替っている。チャコウラナメクジもヨーロッパ原産で,体の両側黒褐色の帯がある。

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