改訂新版 世界大百科事典 「コーン滝」の意味・わかりやすい解説
コーン滝 (コーンたき)
Khone Falls
ラオス南部,カンボジアとの国境にあるメコン川中流域の大瀑布。メコン川はこの付近で微高地の河谷を川幅を広げて流れ,黄濁した河流の中に多くの小島や岩礁を残し,いくつもの小滝や急流,浅瀬をつくっている。コーン滝付近に至ると川幅が狭くなり,急流がところどころの大岩礁にぶつかって水しぶきをあげながら,1.5kmの川幅のまま高さ20~25mを落下する。メコン川を遡航して雲南に至る交易路を開こうとしたフランス海軍のド・ラグレとガルニエの率いるメコン川探検隊は,1866年9月,コーン滝で一時立往生した。フランスはこの滝のため,メコン川遡航ルートを断念し,代りにトンキン地方のソンコイ川ルート開発に向かった。
執筆者:石沢 良昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報