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玄武岩 げんぶがん basalt

翻訳|basalt

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

玄武岩
げんぶがん
basalt

暗灰色 (色指数 40~70) の苦鉄質火山岩。溶岩や浅所貫入岩として産し,地球上で最も量の多い火山岩。特に,ほとんどすべての海洋底は玄武岩によってできている。陸上でも,インドデカン高原など,広大な溶岩台地を形成することがある。

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デジタル大辞泉の解説

げんぶ‐がん【玄武岩】

火山岩の一。暗灰色または黒色の緻密(ちみつ)な岩石で、斑晶は斜長石橄欖(かんらん)石輝石など。柱状節理をもつものが多い。最も多量に存在する火山岩。名は兵庫県の玄武洞に由来。バサルト

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百科事典マイペディアの解説

玄武岩【げんぶがん】

全岩のSiO2の質量比が45〜52%で,Na2O+K2Oが5%以下の火山岩。黒色または暗灰色の細粒緻密(ちみつ)な岩石で,長石と輝石を主成分とし,短冊状斜長石の小粒が任意に配列する中に輝石が散在する間粒状組織が特徴。
→関連項目砕石粗粒玄武岩月(天体)

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岩石学辞典の解説

玄武岩

細粒のマフィック質の火山岩で,主成分オージャイトラブラドライト~Na-バイトゥナイトと,不透明鉱物チタンオージャイト,ときにチタン鉄鉱)を含む岩石の一般名.さらに,副成分として橄欖(かんらん)石,石英,低Ca-輝石(ピジョン輝石または斜方輝石)があるかないかによって,ソレアイト質玄武岩アルカリ橄欖石玄武岩とに区分する.主成分,副成分の斑晶または微斑晶が存在する.ガラス,緑泥石はあったりなかったりする.
玄武岩の名称は紀元前よりエジプトで建築材あるいは装飾品に用いられた古語であって,黒色ないし暗灰色緻密な岩石に用いられた.当時すでに玄武岩の語は地質学の祖として有名なローマのストラボ[Strabo : 63 BC~24 AD]が使用したといわれており,この岩石はエチオピアにいたエジプト人が見つけ,ベーサナイト(basanite)と呼んだことをプリニウスが記載している[Pliny : 77].この岩石の記述は簡単で,黒い色の石のことをいい,basaniteの名称はギリシャ人によって試金石として使用されたものである.この当時の玄武岩が現在のものと同じかどうかは不明であり,おそらくは輝緑岩などの緻密な塩基性岩の一部が,玄武岩の名称の中に含まれていたと推定される.バサルト(basalt)という岩石名はアグリコラ[G. Agricola : 1546]が初めて使用し,ドレスデン近くの黒い柱状の岩石に用いた.この岩石はプリニウスが記述した岩石と同様のものである.なおアイヒホルツ(Eichholz)たちによれば,この語はエジプト語のbekhenの訳で,暗色の石でグレイワッケであるとしている.おそらくbasaltの語はbasaniteを誤って写した結果らしい[Buttman & Sellig : 1894, Tomkeieff : 1983].
玄武岩は緻密堅固で肉眼的に構成鉱物や組織を鑑定するのは困難である.熔岩流で層状に産出するために火成岩堆積岩かという論争があり,18世紀後半より19世紀にかけて数十年の間,花崗岩と共に火成論者,水成論者の間で議論があり,当時の著名な学者(例えばJ. E. Guettard, N. Desmarest, A. G. Werner, L.von Buch, J. F. d'Aubusisson, R.Jameson)が参加した.これらの論争は火成論に決着して,その後は岩質の研究が中心となった.コルディエルは玄武岩が輝石,ラブラドライト,ときに橄欖石で構成される岩石であるとした[Cordier : 1819].レオナルドは粒度で三大別し,細粒のものを玄武岩,粗粒のものをドレライト,中粒のものをアナメサイト(anamesite)と呼んだ[Leonhard : 1832].しかしアナメサイトという名称はその後用いられていない.一方スタイニンガーは,玄武岩の中でインターサータル構造の石基中にラブラドライトあるいはバイトゥナイトの斑晶のあるものをソレアイト(tholeiite)と呼んだ[Steininger : 1840].また斜方輝石を含む玄武岩がパラティナイト(palatinite)と呼ばれたが[H. Laspeyres : 1869],この語はほとんど使用されていない.
その後顕微鏡岩石学の発展とともに詳細な研究が行われるようになり,ツィルケルは玄武岩を,長石玄武岩ネフェリン玄武岩,リューサイト玄武岩と三大別した[Zirkel : 1870].ローゼンブッシュは一般の玄武岩以外に橄欖石玄武岩を重視し,また玄武岩が斑糲(はんれい)岩の流出型であることを明らかにした[Rosenbusch : 1877, 1887].さらにティールゲーキーの研究によって,玄武岩はかなり性質の判然とした代表的な火成岩の一つであることが次第に明らかになってきた[Teall : 1888, Geikie : 1888].玄武岩は鉱物成分,化学成分,構造,産状などが輝緑岩と最も類似しており,また成因的にも最も密接な関係にあるものなので,輝緑岩を研究するためには玄武岩を知ることが重要であると考えられる.ギリシャ語のbasanosは試金石の意味があり,またこの石が豊富に産するヨルダン東部のBashanの地名に由来するという考えがある[歌代ほか : 1978].日本語の玄武岩は1885年に玄武洞に因んで命名された.basaltはプリニウスの写本におけるbasanaiteの読み違いで,basanaiteはギリシャ語のbasanites(lithos)で試金石(basanos)の意味であり,究極的にはエジプトの硬砂岩(bhn(w))から来ている[ランダムハウス : 1994].

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世界大百科事典 第2版の解説

げんぶがん【玄武岩 basalt】

地球上で最も多量にある火山岩。石基鉱物としてカンラン石,輝石,磁鉄鉱などの有色鉱物の割合が多いので暗灰色のものが多い。含まれる斑晶鉱物の種類により,カンラン石玄武岩,オージャイト玄武岩などに分けられ,無斑晶玄武岩も少なくないマグマの粘性が低いために玄武岩の溶岩や岩脈の厚さはうすいことが多い。安山岩との間で組成は連続的に変わる。玄武岩は化学組成上,無水ケイ酸アルカリの比に連続的変化があって,ソレイアイト玄武岩カルクアルカリ玄武岩,アルカリカンラン石玄武岩に細分される。

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大辞林 第三版の解説

げんぶがん【玄武岩】

〔兵庫県の玄武洞に由来する命名〕
塩基性の火山岩。斜長石・輝石・橄欖かんらん石を含み、緻密で、暗灰色ないし黒色。火山岩のうち最も多く、世界各地に産する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

玄武岩
げんぶがん
basalt

塩基性および苦鉄質火山岩の総称。カルシウムに富む斜長石(灰長石ないし亜灰長石)と輝石(普通輝石、ピジョン輝石、ときにチタン普通輝石、まれに斜方輝石)、橄欖(かんらん)石、磁鉄鉱などを主要鉱物とする。石基は短冊型の斜長石、粒状の磁鉄鉱により特徴づけられることが多い。色は暗黒色のものが多いが、暗灰色、赤褐色のものもあり、固結時の環境条件によって、多孔質、緻密(ちみつ)、細粒、粗粒、斑(はん)状などさまざまな外観を示す。貫入岩であって岩脈、岩床を形づくる粗粒なものは粗粒玄武岩とよばれる。これよりさらに粗粒なものは斑糲(はんれい)岩という。バサルトの名称は岩石の名前のうちでももっとも古いもので、古代ローマの博物学者プリニウスの博物誌に出ている。日本名は明治初年、兵庫県の玄武洞にちなんで名づけられた。元来、「玄」は黒いということを意味し、「玄武」は黒い亀(かめ)、あるいは単に亀を意味する。これは中国古来の四神の一つで、方位(北)の呼称でもある。寛政(かんせい)年間(1789~1801)儒学(じゅがく)者柴野栗山(しばのりつざん)によって命名された玄武洞は、この岩石が六角板状の柱状節理によって小さく割れて、それが黒い亀、玄武の形に似ていることに由来するらしい。
 玄武岩は地殻を構成する物質のうち、もっとも分布が広く基本的なものであり、地球の内部を研究する重要な手掛りとなる。アメリカのR・A・デイリーは、世界各地に分布する玄武岩を研究して、玄武岩質マグマが火成岩の本源マグマであることを帰納的に論じた。一方、カナダのN・L・ボーエンは、玄武岩質マグマが唯一の本源マグマであるとして、これから結晶分化作用、反応原理などによって珪(けい)長質の花崗(かこう)岩質マグマをはじめとするあらゆるマグマ、超塩基性岩類をはじめとするあらゆる火成岩が導かれるとした。ボーエンはさらに、玄武岩に近い単純な化学組成の物質系について合成実験を行い、玄武岩質マグマが地球上でもっとも重要な物質系であるとする考え方を広めることに成功した。玄武岩質マグマが火口から空中ないし水中に放出されて発泡してできた空隙(くうげき)の多い火砕物が岩滓(がんさい)であり、細粒の場合は火山灰、火山砂、火山弾などとなる。これらは火山ガラス、橄欖石、輝石、灰長石、磁鉄鉱などからなることが多い。玄武岩質マグマが海水中で流動し、積み重なると枕(まくら)状溶岩となることが多い。地下で岩脈、岩床としてゆっくり冷え固まると、粗粒玄武岩あるいは斑糲岩となる。粗粒玄武岩のことを輝緑岩とよぶことがある。
 玄武岩質マグマにはソレイアイト質、橄欖石玄武岩質、高アルミナ玄武岩質などの本源マグマが識別されており、これらはさらに海洋域、島弧、内陸部など産出する地域によって組成上の特徴が違っている。これらはいずれも超塩基性のマントル物質の部分溶融によって形成されるが、マグマ発生の深度、上昇途中のマグマ溜(だま)りの形状などのさまざまな条件によって異なった玄武岩となる。
 スコットランドには各種の玄武岩が広く分布しており、玄武岩の研究がスタートした所でもある。玄武岩の広大な溶岩流としては、アイスランド、デカン高原、北アメリカのコロンビア川流域、南アメリカのパタゴニア、シベリア、モンゴリア地域、アラビア半島のものなどが著名である。日本では富士山、伊豆諸島、玄武洞、九州の唐津(からつ)をはじめとして広域にわたって玄武岩類が分布している。[矢島敏彦]

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世界大百科事典内の玄武岩の言及

【火成作用】より

…これらを総称して火成岩とよぶ。地表でみられる火成岩類には多くの種類があるが,そのなかで最も多いのは,玄武岩と花コウ岩である。玄武岩は火山岩の代表的なものであり,花コウ岩は深成岩の代表的なものである。…

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