ゴーデスベルク会談(読み)ゴーデスベルクかいだん(その他表記)Godesberg Conference

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴーデスベルク会談」の意味・わかりやすい解説

ゴーデスベルク会談
ゴーデスベルクかいだん
Godesberg Conference

イギリスの N.チェンバレン首相とドイツの A.ヒトラー総統の会談。 1938年9月 22~23日,ズデーテン帰属問題について,ドイツ,ノルトラインウェストファーレン州のバートゴーデスベルクで行われた。これに先立つ両者ベルヒテスガーデン会談 (1938.9.15.) で,ヒトラーはズデーテン地方のドイツへの併合を強硬に主張し,イギリスとフランスチェコスロバキアにヒトラーの要求を承認させた。しかしヒトラーはゴーデスベルク会談で,ズデーテン地方の即時割譲,10月1日までの同地方占領 (一部は 11月 25日までに人民投票によって帰属を決定する) などを要求したため,チェンバレンはこの要求を受入れず,会談は失敗に終った。会談決裂後チェコスロバキアは総動員令を発し,イギリス,フランスは,強い態度を取るよう主張していたソ連と協議を開始した。一方,イタリアはドイツにますます接近し,ヨーロッパの政局は 18年以来の危機を迎えたが,9月 30日のミュンヘン会談で一応の妥結をみた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴーデスベルク会談」の意味・わかりやすい解説

ゴーデスベルク会談
ごーですべるくかいだん

1938年9月22~23日に、ドイツのゴーデスベルクで、ヒトラーとイギリス首相チェンバレンとの間でもたれた会談。同年9月15日のベルヒテスガーデン会談でのヒトラーの要求(チェコスロバキアのズデーテン地方のドイツへの割譲)に、チェコスロバキア、イギリス、フランスの各政府が同意したことをチェンバレンが伝えたのに対し、ヒトラーがズデーテン地方の即時占領など新条件を提示し、会談は決裂した。

[木畑洋一]

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