日本大百科全書(ニッポニカ) 「バート・ゴーデスベルク」の意味・わかりやすい解説
バート・ゴーデスベルク
ばーとごーですべるく
Bad Godesberg
ドイツ西部、ノルトライン・ウェストファーレン州の鉱泉保養地。旧西ドイツの首都ボンの南部を占める郊外住宅地域で、官公庁街、大使館街ともなっている。略称ゴーデスベルク。ボンが首都に決まった1949年以来、多数の政府機関、日本などの各国大使館が設けられ、政府職員の住宅が増加した。西方にはコッテン森林地区が控え、ライン川河畔の遊歩道からは対岸にジーベンゲビルゲ山地が仰がれ、景勝の地である。
古くはローマ道がここを通り、1210年にケルン選帝侯によって築かれたゴーデスベルク城の岩山がそびえる。麓(ふもと)の村落では断層線に沿って鉱泉が湧(わ)き、1791年以来湯治に、1926年以来給水に用いられている。やがて邸宅地に発達し、1968年にボンに合併された。1938年のヒトラーとイギリス首相チェンバレンによるゴーデスベルク会談の開催地。
[齋藤光格]