普及版 字通 の解説
12画
[字訓] きる・たつ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は昔(せき)。昔に錯(さく)・鵲(しやく)の声がある。〔説文〕十四上に「斬るなり」とあり、〔爾雅、釈器〕に「魚には之れをると曰ふ」とあって、削の意とする。〔書、泰誓下〕に「るものの脛(すね)を(き)る」とは、紂が冬の朝川を徒渉する老人の脛を斬ったという説話である。昔には(せき)の意もあるが、はおそらく切る音を示す語であろう。斫(しやく)・(たく)・(ちよくさく)なども、切る音を主とする字と思われる。
[訓義]
1. きる、きりたつ、たつ。
2. けずる、そぐ、そぎとる。
3. うつ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 キル 〔字鏡集〕 タツ・キル・ケヅル・ウツ
[語系]
tzheak、斫tjiakは声近く、また・teok、tiokも声義が近い。は盾に彫鑿を加える形。はものに撃を加える意。は〔説文〕十四上に「(くちよく)なり」(段注本)とあって、強く力を加えて両分する意。斬るところは異なるが、いずれもその声を写す語であろう。
[熟語]
筋▶・脛▶・趾▶・渉▶・足▶・陳▶・戮▶
[下接語]
刳・細・舂・法
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報