サベリウス(その他表記)Sabellius

改訂新版 世界大百科事典 「サベリウス」の意味・わかりやすい解説

サベリウス
Sabellius
生没年:?-260ころ

三位一体をめぐる古代キリスト教会の論争の中で,アリウスとならんで異端説(サベリウス主義Sabellianism)を主張した人。経歴は不詳だが,ローマの司教カリストゥス1世(在位217-222)のときにアフリカから来て,教父ヒッポリュトスと争った。その主張は〈様態論modalism〉(モナルキアニズム)で,父・子・聖霊を神の顕現様態とするものであったが,位格相互の区別を軽視したために,それは子(キリスト)の受肉を父の受難とする〈天父受難説patripassianism〉となるのではないかと非難された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 治典

世界大百科事典(旧版)内のサベリウスの言及

【モナルキアニズム】より

…最初はグノーシス主義をしりぞけて一神教を擁護する意図で主張されていたが,のちにアンティオキア学派では,イエスは元来〈神の子〉ではなかったが,神のデュナミス(力,霊)をうけて神の養子となったのだという〈養子説〉が主張された。他方サベリウスは天父自身がイエスのうちに現れたのであり,イエスの人格は天父の顕現様態にほかならないとする〈様態説〉をとった。これは西方教会では〈天父受苦説〉となって現れた。…

※「サベリウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む