せい‐れい【聖霊】
〘名〙
① (Holy Spirit の
訳語)
キリスト教で、父なる神、子なる
キリストとともに三位
(さんみ)一体をなし、その第三位を占めるもの。人間に宿り、神意の
啓示を感じ、
精神活動を起こさせるもの。
※新聞雑誌‐六〇号附録・明治五年(1872)九月「天父、
神子、聖霊の名を以て、
洗礼を施し」
※引照新約全書(1880)馬太伝福音書「之を父と子と聖霊
(セイレイ)の名に入て
弟子とし」
しょう‐らい シャウ‥【聖霊】
〘名〙
※かた言(1650)三「聖霊(しゃうりょう)をしゃうらい」
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デジタル大辞泉
「聖霊」の意味・読み・例文・類語
せい‐れい【聖霊】
《Holy Spirit》キリスト教で、父なる神、子なるキリストとともに三位一体を形成する第三の位格。人に宿り、啓示を与え、聖化へと導く。助け主。慰め主。
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聖霊
せいれい
Holy Spirit 英語
Pneuma ギリシア語
キリスト教における三位(さんみ)一体論の第三位格。父なる神、子なる神と本質を同じくし、三者で一体を形成すると信じられている。『旧約聖書』では「霊」にあたるヘブライ語は「ルーアハ」ruah.であるが、これは本来神の「息」あるいは「風」を意味し、人間の生命原理とみなされている。『新約聖書』ではギリシア語の「プネウマ」がそれにあたるが、霊は神の力そのものであり、しばしば黙示文学にみられるような超自然的幻想を呼び起こす力も、霊の作用に数えられる。福音書(ふくいんしょ)記者たちは、イエスを神の霊に満たされた人として表現し、イエスのなかに、悪霊に憑(つ)かれた者をたちどころに癒(いや)す驚異的な霊力を認めている。「霊の人」が原始キリスト教会において特別な意味を担っていたことは、「使徒行伝(ぎょうでん)」や「パウロの手紙」を通して明らかである。
[山形孝夫]
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聖霊【せいれい】
キリスト教の三位一体の第3の位格(ペルソナ)。英語でHoly Spirit,Holy Ghost。父なる神,子なるイエス・キリストと同一実体で,父と子から永遠の愛として出る霊(ただし東方教会では,父からのみ発出するとされ,東西教会の教義上の争点)。パラクレトス(助け主),恵みの与え主,慰め主,神の霊などと呼ばれ,図像では火炎の舌,鳩などで示される。
→関連項目聖霊降臨祭
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聖霊
せいれい
Sanctus Spiritus; Holy Spirit
三位一体の玄義における3つの位格 personaの一つであり,ペルソナとしての独自性を有する一方,また真なる神として父と子とともに一つの実体をなす。子が父から生れるのに対して父 (および子) から発出するものであり,人々の霊魂を照し清め強め慰めるものとしてイエス・キリストについてのあかしを示し,キリストの栄光を現し人々を導いて,すべての真理を悟らせるのである。聖霊は絶えず人々の間に働き,彼らを聖化し,キリストの肢体である教会を「立てる」働きが帰せられている。
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せいれい【聖霊 Holy Spirit】
霊は一般に超自然的な働きをもち,特定の宗教であるなしにかかわらず精神や身体に働きかけて,これに生命と特殊な力とを付与するものと考えられた。霊の働きはふつう宗教と共同体とに制約され,霊能者はその中でしか生まれないと見られるが,その制約と価値づけを超えるのが霊の特質でもあるので,非論理(パラロジカル)であるだけでなく,悪霊ともいっしょになって働くのである。キリスト教では霊の人格性と聖性を強調して〈聖霊〉と呼び,三位一体のうちの一位格とする。
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普及版 字通
「聖霊」の読み・字形・画数・意味
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