改訂新版 世界大百科事典 「サマンフディ」の意味・わかりやすい解説
サマンフディ
Haji Samanhudi
生没年:1868-1956
インドネシア民族運動の初期指導者で,イスラム系小商人の団体,イスラム商業同盟の設立者。スラカルタのバティック(ジャワのろうけつ染め)の中心地であるラウェヤン地区に生まれ,富裕なバティック業者として名をなした。1904年にメッカに巡礼してハジの称号を得たのち,05年ころからスラカルタのバティック商人に対して,華僑の経済的支配の浸透に団結して当たるよう説きはじめた。この結果,11年に同地でイスラム商業同盟が結成された。同名の同盟はすでに1909年以来バタビア(現,ジャカルタ)とボゴールで結成されていたが,スラカルタでの設立とともに大衆的基盤を得,イスラム同盟として発展した。しかし彼自身は14年以降,より強力な指導者チョクロアミノトの出現により運動から身を引いた。
執筆者:土屋 健治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報