スラカルタ(読み)すらかるた(英語表記)Surakarta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スラカルタ」の意味・わかりやすい解説

スラカルタ
Surakarta

ソロ Soloとも呼ばれる。インドネシア,ジャワ島中部のジャワトゥンガ州東部の都市。メラピ山 (2911m) の東麓,ソロ川の広い河谷平野に位置する。マタラム王国の地であったが,オランダの支配後もスルタン領として残り,現在でも広大な王城敷地内では自治が認められている。王族の保護により,ジャワのイスラム文化の伝統がよく保存され,イスラム・インドネシア大学があり,ワヤン・クリ (影絵芝居) ,スリンピ (宮廷舞踏) なども盛ん。周辺の平野では,イネ,タバコ,サトウキビキャッサバココヤシなどが栽培され,それらの集散,加工も行う。主産物はバティックをはじめ,壺,木工品などの手工芸品。鉄道,道路で島内各地と結ばれる。インドネシア独立戦争の過程では左派の拠点であり,のちに共産党の本拠地でもあった。人口 46万 9888 (1980) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スラカルタ」の意味・わかりやすい解説

スラカルタ
すらかるた
Surakarta

インドネシア、ジャワ島中部の都市。別称ソロSolo。肥沃(ひよく)なソロ川流域の平野に位置する。人口46万9888(1980)、51万5865(2018推計)。第二次世界大戦まではかつてのマタラム王国の末裔(まつえい)としてのススフーナン、マンクネゴロ両王の統治下にあり、王宮を中心に栄えたが、戦後王家の廃絶に伴い市勢は衰えた。しかしなおジョクジャカルタと並ぶジャワ伝統文化の中心地として訪れる人が多い。かつてのススフーナン王宮は1963年に博物館となり、またマンクネゴロ王宮も一部は博物館として開放されている。パッサル・トレウィンドゥはスラカルタの「のみの市」として掘り出し物が多い。バティク(ジャワ更紗(さらさ))工場が多く、また農産物集散地でもある。

[別技篤彦]

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