日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボゴール」の意味・わかりやすい解説
ボゴール
ぼごーる
Bogor
インドネシア、ジャワ島西部の都市。ジャカルタの南50キロメートル、サラク(2211メートル)、ゲデ(2958メートル)両火山の裾合谷(すそあいだに)の標高265メートルに位置する。人口24万7409(1980)、516万2044(2018推計)。降水量が多く年間4000ミリメートルを超えるが、気温はジャカルタより低くしのぎやすい。オランダ植民地時代の1745年にジャカルタの暑熱を避ける土地として開かれ、総督官邸や熱帯植物園が設けられてボイテンゾルフBui tenzorg(無憂境)と命名され、以来同島最大の白人居住区であった。1817年に設立されたボゴール植物園は世界的にも有数の規模をもつもので、1万種に近い植物が栽培され、さく葉館、図書館や熱帯実用植物栽培場が併設されている。第二次世界大戦後、これらの施設を中心にボゴール農業大学が創立された。最近は国鉄によるジャカルタへの通勤者も多くなっている。なお、ボゴール東方のプンチャク峠(1060メートル)一帯はさらに高地の休養地として開かれ、別荘やバンガローが点在する。
[別技篤彦]