日本大百科全書(ニッポニカ) 「サメガレイ」の意味・わかりやすい解説
サメガレイ
さめがれい / 鮫鰈
roughscale flounder
[学] Clidoderma asperrimum
硬骨魚綱カレイ目カレイ科に属する海水魚。カナダの太平洋岸ブリティッシュ・コロンビア州から千島列島や樺太(からふと)(サハリン)を経て日本各地、東シナ海、朝鮮半島の沿岸に分布する。日本では北日本に多い。三陸沿岸ではセッタガレイとよぶ。体は高い卵円形。鱗(うろこ)がなく、若魚では体の表面は円滑であるが、成魚では多数の小突起が散在し、さめ肌のように粗雑である。体の無眼側は暗紫色である。
水深100~1000メートルの砂泥底にすみ、小形の底生動物、とくにクモヒトデ類を食べる。雌は30センチメートル、雄は25センチメートルほどで成熟する。秋から春にかけて水深500メートル付近で産卵する。1年で12センチメートル、3年で26センチメートル、5年で31~36センチメートルになる。高齢魚では雌のほうが成長がよい。全長50センチメートルぐらいになる。底引網で多量に漁獲される。皮をはいで干物、煮つけ、焼き魚などにされるが、それほど美味ではない。
[尼岡邦夫]