改訂新版 世界大百科事典 「サモトロール油田」の意味・わかりやすい解説
サモトロール油田 (サモトロールゆでん)
Samotlorskoe
西シベリア低地帯,オビ川中流域に位置する同地域最大の油田。西シベリアでは1930年代前半から地質調査が行われたが,この地域で初めての商業的油田(シャイム油田)が発見されたのは60年,本油田が発見されたのは65年,生産が開始されたのは69年である。同年末からは水攻法も実施されている。本油田の埋蔵量は約274億バレルと推定され,世界第5位である。生産量は82年には日産300万バレルでガワール油田に次いで世界第2位であったが,93年には日産85万バレルと減退している。本油田の主要油層は,深度1600~2200mに分布する下部白亜系の3枚の砂岩である。油質は下位へ行くにともなって軽質となり,比重27.3~36.9°API,硫黄分は全体に少なく,1.1~0.8%である。
執筆者:加藤 正和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報