さりとも

精選版 日本国語大辞典 「さりとも」の意味・読み・例文・類語

さり‐とも

接続
① すでに存する具体的な事態を承認しながら、その反対の事態を認めようとする表現。そうであっても。そのようだとしても。
※竹取(9C末‐10C初)「さりともつひに男あはせざらむやは、と思ひて」
山家集(12C後)上「世の中は曇りはてぬる月なれやさりともと見し影も待たれず」
問題になっていることの性質程度を、抽象的に受けて、その反対の事態を希望的に認めようとする表現。いくらなんでも。それにしても。
伊勢物語(10C前)六五「さりともと思ふ覧こそ悲しけれあるにもあらぬ身を知らずして」
平家(13C前)九「越中前司にくんだらば、さり共おちあはんずらんと思ひて待つところに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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