日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
サンクト・ペテルブルグ・フィルハーモニー管弦楽団
さんくとぺてるぶるぐふぃるはーもにーかんげんがくだん
Санкт‐Петербургский академический симфонический оркестр/Sankt-Peterburgskiy akademicheskiy simfonicheskiy orkestr
ロシアの代表的交響楽団の一つ。1882年に設立された宮廷管弦楽団を母体に、革命後の1921年にペテルブルグ国立フィルハーモニー管弦楽団として発足、1924年にこの都市がレニングラードと改められてからレニングラード・フィルハーモニーとなる。ニコライ・マルコNicolai Malko(1883―1961)、アレクサンドル・ガウクAlexander Gauk(1893―1963)らが常任指揮者を務めたのち、1938年から1988年までエフゲニ・ムラビンスキーがこの地位にあった。なお、1953年以後、同管弦楽団は、ムラビンスキー常任のフィルハーモニー管弦楽団と、アルビド・ヤンソンスとユーリ・テミルカノフYuri Khatuevich Temirkanov(1938―2023)(のちにアレクサンドル・ドミトリエフAlexander Dmitriev(1935― ))が指揮する交響楽団、エドワルド・セローフEdward Serov(1937―2016)指揮の室内管弦楽団、タネーエフ弦楽四重奏団を統括している。レニングラード・フィルの呼称での来日公演は多いが、ムラビンスキー指揮の初来日は1973年(昭和48)であった。ソ連解体とともに当初の名称に戻ったが、来日公演ではレニングラード・フィルハーモニーの名が使われることもある。
[美山良夫]