日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンゴゴケ」の意味・わかりやすい解説
サンゴゴケ
さんごごけ
[学] Sphaerophorus meiophorus (Nyl.) Vain.
地衣類サンゴゴケ科の代表的な1種。北海道から九州の高山にみられる日本特産種で、針葉樹の基部近くに生える。地衣体は樹枝状で、高さ1~3センチメートルとなり、細かな枝が数多く出る。子器は枝の先につき、球形。日本では6種が知られており、ヒラサンゴゴケS. melanocarpusがもっとも普通にみられる。山地の樹皮に生え、地衣体は著しく扁平(へんぺい)になって、樹枝状に枝分れする。地衣体の背面は灰白色から灰緑色であるが、腹面は淡灰色となる。子器は地衣体の枝先の腹面につき、円盤状。日本のほかにヨーロッパ、北アメリカ、ニュージーランドなどに分布する。
[井上 浩]