最新 地学事典 「樹枝状」の解説
じゅしじょう
樹枝状
dendritic ,arborescent
急速な成長や高過飽和溶液からの成長に広くみられる結晶の形態。この種条件下で結晶が成長するときは,結晶粒子が結晶の隅に優先的に吸着され,この方向への成長が主として行われるために,三次元的に一様な結晶にならず樹枝状の外形をとる。枝を構成する個々の微結晶は,角のとがった結晶の場合と隅や稜が丸みをもつ場合とがあり,結晶種や成長条件によって異なる。金属や霜の結晶などに広くみられるが,天然の鉱物でも自然硫黄・赤銅鉱・自然金・自然銅・二酸化マンガン鉱などに例がある。この種鉱物を樹枝石,しのぶ石(dendrite)という。鉱石の細かい割れ目にできることが多く,交代作用によってできたものを特に擬樹枝状という。
執筆者:砂川 一郎・山田 敬一
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

