1983年に登録、2007年に登録内容が変更された世界遺産(文化遺産)で、フランス西部のポワトゥー・シャラント地方にある。ポワトゥーの小村サン・サヴァンを流れるガルタンプ川の河畔に建つ聖堂には、12世紀初頭のフレスコ画が色鮮やかに残る。この聖堂は11世紀末にロマネスク様式で再建された。玄関廊の壁には「黙示録」、身廊(しんろう)のアーチ形天井には「天地創造」や「楽園追放」など旧約聖書の36場面が描かれ、地下礼拝堂の天井にはこの地で殉教した聖サヴァンの生涯が描かれた。これらは複数の画家によって描かれたが、17世紀半ばの修復で上塗りされ、19世紀の修復の際、ほぼ完全な状態で蘇ったことなどからロマネスク絵画の傑作を守った奇跡の聖堂として、その歴史的価値が認められ、世界遺産に登録された。また2007年に範囲が拡大された。◇英名はAbbey Church of Saint-Savin sur Gartempe