旧約聖書《創世記》の冒頭に述べられた世界の創造をいう。それによると,神は混沌から,光と闇,水と天,陸と植物,太陽と月と星,魚と鳥,獣と人間(アダムとイブ)を6日間でつくり,7日目は安息の日としたという。この天地創造の神話は近代に至るまで,キリスト教・ユダヤ教的世界観の基本をなした。
天地創造の場面を描くことは古くから試みられてきた。中世の写本画や教会堂装飾では,アダムとイブの創造の場面が描かれることが多い。サン・マルコ大聖堂(ベネチア)のナルテックスのドームのモザイク(1220ころ)では,光の創造からアダムとイブの物語までの一連の場面が見られる。また,ミケランジェロの描いたバチカンのシスティナ礼拝堂天井画(1508-12)には,白い髪のたくましい神が現れ世界を創造する雄大な場面が繰り広げられている。
→創世神話
執筆者:浅野 和生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ヘブライ語による神話は,前10世紀以降初めて散文の形で文字化され,旧約聖書の《創世記》の人類太古史として,今日に伝えられている。〈天地創造〉〈人類の誕生〉〈カインとアベル〉〈ノアの洪水〉〈バベルの塔〉などがそれである。これらは古代オリエント文学同様,本来が口承文学であるため,構造および言語において詩に近い形式を有している。…
※「天地創造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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