サントリーニ(読み)さんとりーに(その他表記)Giovanni Domenico Santorini

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サントリーニ」の意味・わかりやすい解説

サントリーニ
さんとりーに
Giovanni Domenico Santorini
(1681―1737)

イタリアの解剖学者。ベネチアに生まれ、ボローニャパドバピサの各大学で医学を修め、マルピーギ、ベッリーニLorenzo Bellini(1643―1704)らに師事した。1701年ピサ大学を卒業し、1703年ベネチア医学校の解剖学教授となった。緻密(ちみつ)な観察によって多数の業績をあげ、その名はサントリーニ管(副膵(ふくすい)管)、サントリーニ筋(耳輪切痕(せっこん)筋)、サントリーニ切痕(外耳道軟骨切痕)、サントリーニ静脈叢(そう)(男性の前立腺(せん)静脈叢と女性の尿道周囲静脈叢)、サントリーニ鼻甲介(最上鼻甲介)、サントリーニ軟骨(喉頭(こうとう)の小角軟骨)などに残されている。頭部の表層の静脈と脳硬膜静脈洞との間を頭蓋(とうがい)骨を貫いて連絡する導出静脈、そして笑ったときに「えくぼ」をつくる笑筋も彼の発見と命名によるものである。また妊娠によってのみできると考えられていた卵巣の黄体を、処女にも小形のものが存在することを明らかにした。著書に『解剖学的観察』(1724)がある。

[澤野啓一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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