サンフォニー・コンセルタント(その他表記)symphonie concertante

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

サンフォニー・コンセルタント
symphonie concertante

二つ以上の独奏楽器を使用した交響曲一種。「協奏交響曲」を意味するフランス語で,イタリア語ではシンフォニア・コンチェルタンテ sinfonia concertante。18世紀後半から 1820年頃にかけて盛んに作曲され,フランスで定着し,一つの独奏楽器による協奏曲よりも好まれた。代表的な作品として,ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの『バイオリンビオラ管弦楽のための協奏交響曲変ホ長調』K.364,フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの『オーボエファゴット,バイオリン,チェロ,管弦楽のための協奏交響曲変ロ長調』op.84がある。

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世界大百科事典(旧版)内のサンフォニー・コンセルタントの言及

【協奏曲】より

…これはバロック時代に特有のものだが,現代においてもバルトークの《管弦楽のための協奏曲》(1940)にその一例を見ることができる。18世紀後半から19世紀初頭にかけては,交響曲の中で複数の独奏楽器が活躍するものがあり,これは協奏交響曲(フランス語でサンフォニー・コンセルタントsymphonie concertante)と呼ばれた。
[協奏曲の歴史と名曲]
 異質なものの対比に基づく協奏という原理は,まず16世紀末のベネチア楽派で音色や強弱の対比となって現れ(たとえばG.ガブリエリの《ピアノとフォルテのソナタ》1597),その後バロック時代を通じて音楽の最も基本的な構成原理となった。…

※「サンフォニー・コンセルタント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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