サンブンマチャン(英語表記)Sambungmacan

改訂新版 世界大百科事典 「サンブンマチャン」の意味・わかりやすい解説

サンブンマチャン
Sambungmacan

インドネシア,東部ジャワのスラカルタの東北東40km,サンブンマチャン郡のソロ河の河床にある中期更新世人類遺跡。欧文の旧綴りはSambungmachan。1973年,洪水を防ぐ運河の工事の際に頭骨(Sm 1)が発見され,1977年にも脛骨(Sm 2)が発見された。さらに,その上流の河床から,1997年と2001年に,それぞれ頭骨(Sm 3,4)が発見された。頭骨はいずれも脳頭蓋のみで,顔面は残っていない。頭蓋腔容積(脳容積より10%ほど大きい)は900~1000ml。年代はおよそ30万年前と推定されている。Sm 1とSm 3の頭骨は,年代が古いサンギランの頭骨よりは年代が新しいガンドンの頭骨に似ている。Sm 4の頭骨はサンギランとガンドンの中間的な特徴を示し,馬場悠男や海部陽介たちの研究により,ジャワ島ホモ・エレクトスジャワ原人)が,サンギランの化石からサンブンマチャンの化石をへて,ガンドンの化石へと独自の進化を遂げたことが明らかになった。文化遺物は発見されていない。
ガンドン →サンギラン →ジャワ原人
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android