サン・ルイス・レイ橋(読み)サン・ルイス・レイばし(その他表記)The Bridge of San Luis Rey

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サン・ルイス・レイ橋」の意味・わかりやすい解説

サン・ルイス・レイ橋
サン・ルイス・レイばし
The Bridge of San Luis Rey

アメリカ小説家,劇作家ソーントン・ワイルダー小説。 1927年刊。 1714年7月 20日金曜日,ペルーの首都リマ近くの峡谷にかけられた橋が突然落ちて5人の男女が死ぬ。この事件を目撃したフランシスコ会修道士フニペルは,これが単なる偶然事にすぎなかったのか,それとも神の摂理の現れであったのかを明らかにしようとして,5人の犠牲者生前の生活を調べる。5人の生活記録を積重ねていくうち,おのずと人生の底にひそむ愛と孤独が浮び上がってくる。ピュリッツァー賞受賞作。

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世界大百科事典(旧版)内のサン・ルイス・レイ橋の言及

【ワイルダー】より

…ほかには,人類が一連の危機をからくも逃れてきた経過を描いた《危機一髪》(1942)や,ミュージカル《ハロー,ドーリー!》(1964)の原作となった喜劇《結婚仲介者》(1954),一幕劇多数がある。小説には,18世紀ペルーを舞台に人間の運命が天の摂理によって支配される様を描いた《サン・ルイス・レイ橋》(1927),ジュリアス・シーザーの最後の数ヵ月をたどった《3月15日》(1948),人間性のあり方を掘り下げた《第8日》(1967),《シオフィラス・ノース》(1973)などがある。ワイルダーの文学は一見平易だが,奥に神秘性を隠しているのが特色である。…

※「サン・ルイス・レイ橋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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