日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーベドラ・ラマス」の意味・わかりやすい解説
サーベドラ・ラマス
さーべどららます
Carlos Saavedra Lamas
(1878―1959)
アルゼンチンの政治家。ブエノス・アイレスに生まれる。貴族階級の出身で、ブエノス・アイレス大学に学び、1903年法学博士号を取得、ラ・プラタ大学の教授、のちブエノス・アイレス大学の教授となり、法律と歴史を教えた。その間、1907年ブエノス・アイレス市の事務局長に就任、1915年には司法大臣および教育大臣を任命され、教育改革を実施した。1932年大統領フストの下で外務大臣となり、13年間脱退していたアルゼンチンを国際連盟に再加入させ、また多くの国際会議に出席した。彼はアルゼンチンのみならず、南アメリカにかかわる多くの外交問題に重要な役割を果たし、1932年にはラテンアメリカ不戦条約を起草、翌1933年にはラテンアメリカの6か国が同条約を締結した。さらにパラグアイ、ボリビア間のチャコ戦争(1932~1935)を休戦に導いた。これらの業績により1936年のノーベル平和賞を受賞したが、これは南アメリカで初のノーベル賞受賞であった。同年には国際連盟総会の議長に選出されている。1938年外務大臣を辞任、1941年から1943年まで、ブエノス・アイレス大学の学長を務めた。
[編集部]