ザミンダーリー制(その他表記)Zamīndārī System

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ザミンダーリー制」の解説

ザミンダーリー制(ザミンダーリーせい)
Zamīndārī System

イギリスが植民地インドに導入した土地制度の一つ。1793年,コーンウォリスベンガルビハールオリッサに導入した。その後,現在のアーンドラ・プラデーシュ州の北東部など一部の地域にも導入された。ザミンダールと呼ばれる領主層に,所領に対する土地所有権を与え,彼らに地租納入義務を負わせた。ベンガルなどでは地租の額は固定され,永代定額とされたので永代査定とも呼ばれる。この制度は,1950年代に土地改革によって有償廃止されるまで存続し,インド東部の農村社会の発展方向を根本で規定し続けた。コーンウォリスは,ザミンダールをイギリスのジェントリに比定し,彼らをベンガルにおける農業発展の担い手にしようとした。地租額を固定したのは彼らに地所改良の利益が自分のものになることを保証するためであった。しかし現実には,ザミンダールは地所を転貸する方向に走り,異例なほど複雑な土地制度を発展させる結果に終わった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ザミンダーリー制」の解説

ザミンダーリー制
ザミンダーリーせい

ザミンダール

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android