オリッサ(その他表記)Orissa

精選版 日本国語大辞典 「オリッサ」の意味・読み・例文・類語

オリッサ

  1. ( Orissa ) インド東部ベンガル湾に面する州。地下資源が豊富。州都ブバネシュワル

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改訂新版 世界大百科事典 「オリッサ」の意味・わかりやすい解説

オリッサ[州]
Orissa

インド東部の州。ベンガル湾の湾奥部に面する。面積15万6000km2,人口3680万(2001)。州都はブバネーシュワル。海岸平野と内陸山地からなる。海岸平野の中央に幅80km,扇端部の長さ170kmの広大なマハナディ川デルタが広がる。同水系の年降水量は1400~1600mmで,その80%までが6~9月の南西モンスーン季に集中する。そのためこの川の豊水期と渇水期との流量差は極度に大きく,州境近くのヒラクド・ダム(多目的アースダムで,1957完成)の完成までは,洪水が頻発した。内陸山地は北東部のチョタ・ナーグプル高原の延長地帯と,南西部の東ガーツ山脈の北端地帯とに二分される。前者はマハナディ川支流により分断された標高900~1100mの三つの地塁性山地からなる。後者は小河川により開析された900mほどの高原状山地である。両山地は森林で覆われ,チークなどの有用材を産するとともにゴンド,ブーイヤなどのアウストロアジア語系の少数民族の居住地となっている。

 海岸平野一帯は古くカリンガと呼ばれ,前261年にマウリヤ朝アショーカ王によって征服された。このときの戦争の悲惨さが同王を仏教に帰依させたといわれる。以後,北インドに属しつつも南インドに接するという地理的位置を反映して,ガンガーガンジス)川中・下流域に興ったグプタ,パーラなどの諸王朝に服属しつつも,チョーラ,ビジャヤナガルなどの南インドからの勢力によって侵攻されることもあった。内陸山地では5~6世紀と10~11世紀に,ラージャスターンを追われた王たちが小王国をつくる動きがあった。12世紀にはウトゥカラ王国が海岸平野を中心に地方王国として成立し,オリヤー語(現,州公用語),オリッサ式建築様式などの独自文化を築くもとになった。以後デリーに根拠をおくデリー・サルタナット,ムガル朝により征服され,1803年には英領に編入された。独立後は内陸山地の25の小藩王国を併合し,言語州再編政策にもとづき1949年に現在の州となった。

 農業は米作を中心とし,米作以外の穀作物はごく少ない。海岸平野は灌漑の発達地帯でマハナディ川用水をはじめ五大用水路により灌漑され,その受益総面積は100万haに達する。これに対し内陸山地は,ヒラクド・ダム用水の受益地帯を除けば天水田が多い。マハナディ川デルタの先端部ではジュートが栽培され,また海岸平野の南端部はターメリック(ウコン)の主産地で主として輸出される。北東部山地はインド有数の鉄鉱石,石炭の産出地帯で,そのほかマンガン(インド第1位),クロム,ボーキサイトなどを産する。独立以後これらの鉱産資源をもとに重工業建設が進められ,ルールケーラーの製鉄業,ジョッダのマンガン鉄鋼業,ヒラクド・ダムの水力発電をもとにするアルミニウム製錬業などが立地する。海岸平野では旧州都のカタックが工業の中心で,紡績,製紙や農産加工などが行われる。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「オリッサ」の解説

オリッサ
Orissa

インド東部の地方。前3世紀にアショーカが海岸部を征服して以来,海岸部と丘陵部に多くの国々が盛衰した。11~13世紀のガンガ朝のときには大いに栄え,ブバネーシュワルなどに大寺院が建立されたが,のちデリーベンガルのムスリムによって海岸部は支配され,18世紀にイギリス領となった。ザミンダーリー制の土地制度と洪水や旱魃の災害とのために発展が遅れた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オリッサ」の意味・わかりやすい解説

オリッサ
おりっさ

オディシャ

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世界大百科事典(旧版)内のオリッサの言及

【デカン高原】より

…亜大陸を政治的に統一する困難な理由の一端は,亜大陸を南北に分かつビンディヤ山脈の自然的障壁にあり,これを越えて相手を支配するには,圧倒的に優勢な軍事力とこれを支える高い生産力の存在が前提とされた。デカン地方でもアーリヤ系の言語を話すマハーラーシュトラ州やオリッサ州の存在は,アーリヤ人の南下がこの障壁によって阻止され海岸線を迂回した事実を示している。デカン高原ではクリシュナー川とトゥンガバドラー川が北部のデカン地方(狭義)と南部のタミル地方を分かつ地理的・文化的・政治的境界をなし,とりわけタミル地方は北インドやデカン地方を支配した政治権力の支配が及ぶことが少なく,ドラビダ系の独自の文化をはぐくんできた。…

※「オリッサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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