改訂新版 世界大百科事典 「ザリスキ」の意味・わかりやすい解説
ザリスキ
Oscar Zariski
生没年:1899-
白ロシアのコブリンで生まれた数学者。ローマ大学で数学を学んでいる間に故郷はポーランドに編入,1939年にはソ連に編入されている。1927年にアメリカに渡り,36年帰化,ジョンズ・ホプキンズ大学で45年までの間教鞭をとった。その後の大部分の期間はハーバード大学で過ごしている。69年には退職したが,退職後に研究のためハーバード大学へ通った期間も長い。研究の分野は代数幾何学であり,可換環論を利用した新しい理論構成を行い,代数曲面の理論に多様な成果をあげるとともに,一般次元の有理対応の理論を築き,与えられた三次元代数多様体と同一の有理関数体をもつような射影多様体で特異点をもたないものの存在を示したことなどで有名である。弟子の中から優れた代数幾何学者が輩出した。
執筆者:永田 雅宜
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報