シアノエチル化(読み)シアノエチルか(その他表記)cyanoethylation

改訂新版 世界大百科事典 「シアノエチル化」の意味・わかりやすい解説

シアノエチル化 (シアノエチルか)
cyanoethylation

シアノエチル基CNCH2CH2-を導入する反応。活性水素をもつ有機化合物(アミン,アルコール,チオールケトンアルデヒドエナミンなど)は塩基(苛性カリKOH,アミン)やルイス酸(AlCl3)などの存在下でアクリロニトリルと反応して,活性水素がシアノエチル基に置換される(式(1))。

 CH2=CHCN+RH→RCH2CH2CN ……(1) 

この反応はアクリロニトリルに対する求核試薬R⁻のマイケル付加とみなすことができる。芳香族アミンのシアノエチル化には酢酸銅(Ⅱ)Cu(OCOCH32触媒として効率がよい。表にいくつか反応例を示す。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「シアノエチル化」の解説

シアノエチル化
シアノエチルカ
cyanoethylation

活性水素をもつ化合物HXにアクリロニトリルを作用させて,シアノエチル基NC-CH2CH2-を導入する反応.

HX + CH2=CH-CN → X-CH2-CH2-CN

HXとしては,アミン,イミドアミド,水,アルコール,チオール,鉱酸または酸性塩,ハロホルム,活性メチレン化合物など.生成物は3位置換プロパンニトリルで,種々の合成反応の中間体として重要である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android