酢酸銅(読み)サクサンドウ

精選版 日本国語大辞典 「酢酸銅」の意味・読み・例文・類語

さくさん‐どう【酢酸銅】

  1. 〘 名詞 〙 化学式 Cu(CH3COO)2 で表わされる化合物。一水塩は暗青緑色結晶。風解性がある。ほかに CuCH3COO あるいは Cu(CH3COO)2・CuO・6H2O などをさすこともあるが、後者は正確には塩基性酢酸銅と呼ばれ、場合によっては緑青(ろくしょう)とも呼ばれている。
    1. [初出の実例]「銅緑を餾醋に浸し濾過して緑液を取り煮て結晶せしむ。其晶を醋酸銅と名く」(出典:舎密開宗(1837‐47)内)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「酢酸銅」の解説

酢酸銅(Ⅱ)
サクサンドウ
copper(Ⅱ) acetate

Cu(CH3COO)2(181.63).酸化銅(Ⅱ),水酸化銅(Ⅱ),炭酸水酸化銅(Ⅱ)などを酢酸に溶かし,濃縮すると暗緑青色の一水和物の結晶が得られる.密度1.88 g cm-3.融点115 ℃,沸点240 ℃.水に易溶,エタノール,エーテルに可溶.顔料,媒染剤,殺菌剤,有機反応の触媒などに用いられる.[CAS 142-71-2:Cu(CH3COO)2][CAS 6046-93-1:Cu(CH3COO)2・H2O]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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