改訂新版 世界大百科事典 「シェパード種」の意味・わかりやすい解説
シェパード[種]
shepherd
原産地がドイツの万能作業犬。ドイツ・シェパード犬German shepherd dogが正式名で(Alsatianとも呼ばれる),最も知能の進んだ犬種の一つとして認められており,作業の活動領域も最も広い。警察犬,盲導犬,警備犬,軍用犬として世界各国で活躍している。19世紀末に確立された比較的新しい犬種で,ドイツの退役軍人シュテファニッツMax von Stephanitzが終生をささげて今日の発展の基礎を作った。彼は犬籍簿,登録制度を確立し,シェパード犬協会を創立し,シェパードの父と呼ばれている。被毛は中等度の長さでやや硬くまっすぐで,下毛は稠密(ちゆうみつ)である。毛色は灰色から真っ黒まで種々で,ブリンドル(虎毛),スチール・ブルー,ブラック,ブラック・タン(黒と茶褐色),ウルフ・グレーなど。雄の体高は約55~60cm,体重は約30~40kgで,雌はひと回り小さい。
執筆者:一木 彦三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報