2005年に登録されたキューバの世界遺産(文化遺産)。シエンフェゴスは、首都ハバナの南東、キューバ島中央部の南岸にある人口約13万2000人のシエンフェゴス州の州都で、カリブ海に面した港町である。18世紀半ば頃、この地にスペイン式の城砦が造られ、後にフランス人移住者が定住して都市が形成された。サトウキビ、タバコ、コーヒー、皮革の交易地、積み出し港として発展し今日に至った。同市内には定住したフランス人らにより新古典主義様式の建物が建築され、その後ほかの様式が折衷された建造物が増え、独特の町並みを築きあげた。同市内にある都市的歴史地区には、政府宮殿(市庁舎)、サン・ロレンソ学校、フェラール宮殿など、往時の建造物が多数残されている。こうした都市景観は、19世紀にスペイン啓蒙運動によってもたらされ、ラテン・アメリカで独自の発展をとげた近代都市計画の典型的な事例ともされている。◇英名はUrban Historic Centre of Cienfuegos