しかれば

精選版 日本国語大辞典 「しかれば」の意味・読み・例文・類語

しかれ‐ば

  1. 〘 接続詞 〙
  2. 先行の事柄の当然の結果として、後続の事柄が起こることを示す。順態の確定条件。そうであるから。だから。されば。
    1. [初出の実例]「譬へば山川の流れを見て水上ゆかしく、霧のうちの梢を望みて、いづれのうゑ樹としらざるが如し。然れは此等の集にのせたる歌は必ずしもさらず」(出典:後拾遺和歌集(1086)序)
    2. 「賽銭は一厘銭のみ。それだに奉加するはいと稀なり。あな不思議なる事もあるものかな。然(シカ)れば蟻(むれ)集る老若男女も、みな信心家にあらざるにや」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一一)
  3. 先行の事柄を一応おさめて、話題を転じるのに用いる。そうして。さて。ところで。
    1. [初出の実例]「しかれば、胡国の軍強うして従ふことを期し難し」(出典:謡曲・昭君(1435頃))
    2. 「一筆啓上仕候。此間始而御意得、大慶に存候。然ば其節御密談仕候通」(出典:歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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