最新 地学事典 「シニアン」の解説
シニアン
Sinian System
中国の古生界の基底にある9億~6億年前の地層。1860年にR.Pumpellyがアジアの地質を調査し,初めて使用。李四光(1924)が三峡地域で上・下限を確定して中国南部の震旦(Zhendan)系の基準とした。北部では河北省薊県が基準とされ(高振西,1934),北方型と南方型とされた。しかし,薊県地域は19億年前,三峡地域は8億年前の年代測定値が出され,対比できなくなった。1975年に両者を合わせ震旦亜界としたが,82年狭義のシニアンを三峡地域の若いものに限り,下から長城層群,薊県層群,青白口層群の三群に区分。下位層との間は不整合(呂梁運動)。カンブリア系とはパラコンフォーミティー(薊県変動)。主として浅海成の砕屑岩と炭酸塩岩からなる。740~700Maの氷河堆積物が発達し,鍵層になる。生物群は豊富で,前期からは単細胞藻類のSphaeromorphidiaや大型藻類のVendataenia・Shounsienia・Tawiaのほか,蠕形動物のPaleolina・Sabelliditesと海綿動物や生痕化石を産し,後期には刺胞動物のCycmedusa spp・PianomedusitesのほかAnhuiella・Huaiyuanellaなどの蠕形動物の化石や生痕化石を産出し,微植物化石群とともに准南生物群(Huainan biota)と呼ばれ,一部はエディアカラ動物群に対比。鉄,マンガン,リンなど多種の鉱産資源がある。
執筆者:大森 昌衛・猪俣 道也
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

