改訂新版 世界大百科事典 「シャギニャーン」の意味・わかりやすい解説
シャギニャーン
Marietta Sergeevna Shaginyan
生没年:1888-1982
ソ連邦の女流作家。モスクワのアルメニア人医師の家庭に生まれ,早くから詩を書きはじめた。象徴派の影響下に,処女詩集《最初の出会い》(1909)を刊行して文壇にデビュー。ロシア革命後は詩作を捨て,同伴者文学の作家として散文に専念した。ジム・ドラーDzhim Dollarというペン・ネームで,《金属労働者ローリー・レーン》(1925),《ミス・メンド,あるいはペトログラードのヤンキー》(1926)などの探偵小説を書いたが,やがてアルメニアの社会主義建設を主題とした《中央水力発電所》(1930-31)を発表して,ソビエト作家として公認された。レーニンの伝記《ウリヤーノフ家》(1938。57改作)などの作品もある。
執筆者:水野 忠夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報