翻訳|Yankee
( ①について ) 荒川惣兵衛の「外来語辞典」に、オランダ人に多い名前 Jan (John) Cornelius の親愛形である Jan Kees からとあるが、ニューヨークのオランダ移民がコネチカットの英国移民をこのあだ名で呼んだことが知られている。
語源は不明であるが,北アメリカにヨーロッパ人による植民がはじまった当初,マサチューセッツに住んでいたインディアンが,イギリス人を意味する英語の〈English〉あるいはフランス語の〈Anglais〉という言葉をなまって発音したものともいわれている。初めはニューイングランド生れの人たちを指したが,その後独立革命期にはイギリス軍が植民地軍に対してこの言葉を使い,南北戦争のときは南部連合軍が北部連邦軍を指してこの言葉を使った。その後はアメリカ以外の国からアメリカ人一般を指して使うようになり,例えば20世紀の初めにさまざまな形でアメリカの介入を受けた中央アメリカやカリブ海諸国は,こういうアメリカの政策に対して〈ヤンキー帝国主義Yankee imperialism〉という表現を使っている。
執筆者:猿谷 要
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…他の地方から隔てられたこの環境下で,地域的一体性が助長され,ピューリタンを中核とした植民地社会の伝統が保持され,特色ある地域として発展した。ニューイングランド人はヤンキーの原型で,自立心,公共への義務感,抜け目ない営利の才,勤倹な生活態度など,気質の特性が指摘される。 この地方は土地がやせていたため,大農園制は発達せず,自給的農業が営まれた。…
…商人層の優勢なボストンでは厳格なカルバン的信仰が薄れたが,ピューリタニズムは道徳として影響力を保持した。ここに抜けめない営利の才をもち,しかも節制を重んじるニューイングランドの市民気質,すなわちヤンキー気質が養われた。教義上は自由を尊重するユニテリアン派が台頭したが,個人の良心や公共に対する責任感の重視,知的営為の尊重など,ピューリタンの伝統が継承された。…
※「ヤンキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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