日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュタウト」の意味・わかりやすい解説
シュタウト
しゅたうと
Karl Georg Christian von Staudt
(1798―1867)
ドイツの数学者。エルランゲン大学教授(1835~1867)。射影幾何学に多くの業績を残し、近世幾何学の創始者の一人といわれる。射影幾何学というのは、いわゆる射影変換で不変な図形の性質、たとえば、いくつかの点が一直線上にあるとか、いくつかの直線が同一点を通るというような性質に着目して、それらを研究する幾何学である。したがって長さや角は問題にしないが、シュタウトは点と直線の位置関係だけを用いて、たとえば非調和比を定義している。その著『位置の幾何学』(1847)は、この分野の画期的な仕事として有名である。
[矢野健太郎]
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