シュラッター(その他表記)Adolf Schlatter

改訂新版 世界大百科事典 「シュラッター」の意味・わかりやすい解説

シュラッター
Adolf Schlatter
生没年:1852-1938

スイス生れのプロテスタント神学者。グライフスワルトを経て,チュービンゲン大学の新約学教授。後期ユダヤ教の研究によって新約聖書理解新生面開き,新約全巻にわたる膨大な釈義を残した。また信仰覚醒運動の聖書的キリスト教立場に立って,独自な神学を展開した。それは〈知覚的〉〈観察的〉〈経験的〉な神学で,デカルト以来の思弁的・観念論的伝統と対決して,多方面に影響を与えた。
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関連語 勝彦 近藤

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュラッター」の意味・わかりやすい解説

シュラッター
Schlatter, Adolf

[生]1852.8.16. ザンクトガレン
[没]1938.5.19. テュービンゲン
スイスに生れ,ドイツで活躍した神学者。グライフスワルト,ベルリン,テュービンゲンの各大学で新約聖書学と組織神学教授を歴任聖書主義の立場に立ち,新約聖書学の分野では,後期ユダヤ教や歴史の研究を新約聖書釈義に生かして成果をあげた。倫理学の分野では,この世におけるキリスト者の社会活動の重要性を説いた。主著は『新約聖書注解』 Erläuterungen zum Neuen Testament (3巻,1887~1904) ,『キリスト教教義』 Das christliche Dogma (11) ,『キリスト教倫理学』 Die christliche Ethik (14) 。

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