改訂新版 世界大百科事典 「シュラバナベルゴーラ」の意味・わかりやすい解説
シュラバナベルゴーラ
Sravanabelgola
インド南部,カルナータカ州マイソール地方のジャイナ教の遺跡。ジャイナ教の聖地で,チャンドラギリと呼ばれる岩山には,第2代祖師ゴーマテーシュバラの巨大な丸彫立像(高さ17.5m)があり,ジャイナ教美術史上も重要である。7世紀以後とされる碑文が多く発見され,そこに見られる伝承で注目される。それによれば,〈チャンドラグプタ(前4世紀末)は老齢にいたりジャイナ教に改宗し,王位を譲り出家し師に従ってマイソールの聖地シュラバナベルゴーラに隠棲し,苦行して断食死をとげた〉という。10世紀以後のジャイナ教諸文献も同じ内容の伝承を伝え,これを論拠に,マウリヤ朝の創始者チャンドラグプタが晩年にジャイナ教に改宗したと推論する学者も多い。
執筆者:高橋 明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報