改訂新版 世界大百科事典 「ショットキー」の意味・わかりやすい解説
ショットキー
Walter Schottky
生没年:1883-1976
スイス出身でドイツで活躍した物理学者。電子放出や整流現象を研究し,高周波増幅を安定に行える遮へい格子四極真空管を発明した。チューリヒに生まれ,ベルリン大学でM.プランクの下で学んだ。ロストク大学の教授をつとめ,ジーメンス社の通信研究所を指導した。金属から真空への電子放出を研究し,鏡像力を考慮したショットキー放出の理論を発表,そして,電子放出の不均一性による真空管の雑音について解明した。また,半導体と金属の接触を研究し,1939年ころにショットキーバリヤー理論や拡散整流理論を提唱した。ショットキーは,トランジスター登場以前の半導体研究をリードしたパイオニアの一人であった。彼の業績は,固体格子のショットキー欠陥やショットキーダイオードなどにも名を残している。
執筆者:高橋 雄造
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報