ショベル型切歯(読み)ショベルがたせっし(その他表記)shovel-shaped incisor

改訂新版 世界大百科事典 「ショベル型切歯」の意味・わかりやすい解説

ショベル型切歯 (ショベルがたせっし)
shovel-shaped incisor

歯冠内面(舌側面)が凹んで,ショベルのような形をした上顎切歯門歯)のこと。シャベル型切歯ともいう。北東アジア人に多く見られ,また北京原人の歯にも見られるので,かつては東アジアにおける原人から新人への進化の証拠であるとされたことがあったが,ネアンデルタール人などにも見られることがわかり,現在では否定されている。そもそも,ショベル型切歯は,歯冠の両端が肥厚した結果として内面の中央部が凹んでいるのであって,大きな切歯によく見られる現象である。なお,日本人の形成に関連しても,北方アジア人の系統を引く渡来系弥生人には高率で見られるが,南方アジア人の系統を引くといわれる縄文人には低率であることが知られている。
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