日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロアシネズミ」の意味・わかりやすい解説
シロアシネズミ
しろあしねずみ / 白足鼠
white-footed mouse
[学] Peromyscus leucopus
哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目キヌゲネズミ科の動物。アメリカ合衆国からメキシコに分布する。頭胴長9~11センチメートル、尾長6~10センチメートル、体重14~31グラム。足が白いのでこの名がある。森林や低木地にすみ、種子、堅果、昆虫などを食べ、貯食習性が発達している。18℃の低温下では、25℃の高温下におけるより30%も多くの食物を消費する。北部では3~6月と9~11月に、南部では通年繁殖する。妊娠期間は22~25日で、1産2~6子を産む。乳頭は3対である。子は赤裸で、目も開いていないが、成長は早く、6~7週で性成熟に達する。泳ぎが巧みで、30分ぐらいは泳ぎ続けることができる。巣は岩の間や倒木の下につくり、余った食物もそのような場所に隠す。自分ではトンネルを掘らないが、他の小動物のトンネルを通路に利用している。キツネ、ネコ、オナガイタチ、ミンク、ブラリナトガリネズミ、タカ、フクロウ類、ヘビ類が天敵になっている。シカネズミP. maniculatusなど近似種が多い。
[宮尾嶽雄]