ジェット・フラップ(その他表記)jet flap

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジェット・フラップ」の意味・わかりやすい解説

ジェット・フラップ
jet flap

航空機高揚力装置一種で,高速の噴流 (ジェット) を翼の後縁から噴出し,その向きを下向きに変えることによりフラップ同様の揚力を発生する。またターボプロップ・エンジンの余分の噴流を下向きにして同じような効果をあげることもできる。主として短距離離着陸機 (STOL機) の滑走距離短縮に用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内のジェット・フラップの言及

【高揚力装置】より

…ジェット機ではターボファンエンジンを翼の前に置き,排気をフラップに当てて下へ曲げるEBF(externally blown flapの略)方式と,排気を翼の後縁から斜め下向きに吹き出すIBF(internally blown flapの略)方式に大別され,EBFのうち,排気を翼の上面に流しフラップに沿って下へ曲げるものはUSB(upper surface blowingの略)と呼ばれる(短距離離着陸機)。IBFはジェットフラップともいい,前述の吹出しフラップに似ているが,吹き出す空気量がずっと大きく,翼より後方まで噴出させて推力とする点が異なる。【久世 紳二】。…

【短距離離着陸機】より

…これまで実用されたおもなパワードリフト・システムは,(1)プロペラの後流をフラップに当てて下方へ曲げるプロペラ後流変向,(2)ジェット排気を翼下面からフラップに当てて曲げるEBF(externally blown flapの略),(3)EBFの一種で,ジェット排気を翼上面に流すとフラップに沿って曲がる現象を利用したUSB(upper surface blowingの略),(4)ジェット排気を翼内に導き後縁から斜め下向きに吹き出すIBF(internally blown flapの略。ジェットフラップともいう),(5)IBFの一種で,上下2段のフラップの間にジェットを吹き出すオーギュメンターウィングなどである(図)。こうしたパワードリフト・システムを使って低速で飛ぶときは,機の安定性,操縦性が悪くなりがちなので,それを電子装置で自動的に舵を動かして補うほか,尾翼や舵を一般機よりも大きくする必要がある。…

※「ジェット・フラップ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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