ジャルモ期(読み)ジャルモき(その他表記)Jarmo period

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャルモ期」の意味・わかりやすい解説

ジャルモ期
ジャルモき
Jarmo period

クルディスターン (イラク) の最古の文化期 (前 6500~6000) 。西アジア,メソポタミアを囲む山岳地帯 (肥沃な三日月地帯) における初期農耕文化。標準となるジャルモ遺跡は 1948~51年にシカゴ大学の R.ブレードウッドが調査を行い,農耕を基盤とした2時期の定着集落を明らかにした。下層では炉や床を掘りくぼめて内側を焼固めた貯蔵用穴蔵のある練り土の家屋が営まれ,小麦,大麦,豆類が出土した。土器はまだ存在せず,石製容器が用いられた。石器には細石刃が多く使われたほか,大型の磨製石斧,石皿,石杵,柄に石刃を並べて天然アスファルトで固めた鎌が使用された。上層では集落が大きくなるとともに,彩文土器を交えた土器も出現した。出土した獣骨には羊,やぎ,豚,牛などの牧畜対象となるものが9割以上占め,家畜化されていたものと考えられている。

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