普及版 字通 の解説
8画
[字訓] かせ・おどろかす
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
手に施すかせの形。これを手に施した形は執。〔説文〕十下に「人をかす以(ゆゑん)なり」とし、字を大と(じん)との会意字とする。〔説文〕は字の条三上に「(さ)すなり」と訓し、字形について「干に從ふ。一に入るを干と爲し、二に入るをと爲す」とする。これによるとは人を刺す意となるが、に従う字は執・圉(ぎよ)・報・(きく)など、すべて手械(てかせ)を加えて拘執する意であり、はその手械の形に外ならない。
[訓義]
1. かせ。
2. おどろかす。
3. ぬすみのくせ。
4. 大声。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ヌスミ・オドロク・ネガハク・オドス
[部首]
〔説文〕〔玉〕に(えき)・執・圉(ぎよ)・(ちゆう)・報・(きく)の六字を属する。は獣屍の象で、(こう)(皐)と同じく、上は頭部、下は肢体の形。その肉の破れることを(と)といい、釋(釈)という。(べん)は獣爪。これを以て裂くのである。他はみなに従い、手械を加える形。圉は獄屋、報は報復刑、・は鞭を加え、盟誓をさせて訊鞫(じんきく)を加えることをいう。
[声系]
〔説文〕に執をの亦声とし、執声十五字を収める。・執の声義を承けるものが多い。
[語系]
niap、執tjipは声義の近い字であるが、を単独に用いることはない。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報