C.ジョルダンは,リーマン積分 (→定積分 ) の考え方をもとにして,点集合の測度を定義した。ここで測度とは,直線上の点集合の長さ,平面上の点集合の面積,空間内の点集合の体積などを拡張した概念をさし,一般の m 次元空間における点集合の容積とでもいうべきものである。このジョルダンの測度を拡度ということもある。以下2次元の場合について述べる。平面上に有界な点集合 A が与えられているとき,各辺が座標軸に平行で1辺の長さが r の正方形の網 Δ をつくり,A をおおう。正方形の中で,A に含まれてしまうものの面積の総和を SΔ とし,A と少くとも1点を共有するものの面積の総和を S'Δ とすると SΔ<S'Δ となる。ここで網の目を次第に細かく分割して,正方形の1辺の長さ r を0に収束させたとき,それぞれの極限値を とすれば,S≦S′ である。このときの S を A のジョルダン内測度,S′ を A のジョルダン外測度という。特に等号が成り立つ場合 S=S′ をジョルダン測度という。 A について S=S′ が確定する場合,この A をジョルダン可測という。